北海道文学館さんより、北海道文学館報 第117号と別刷で資料寄贈報告をいただきました。
館報は、会期中であった展覧会の紹介。(現在は終了)
加清純子さんの絵画作品の展示を含む回顧展の紹介でした。
今回も楽しみにしている連載「回想の北海道文学館」、この連載は、名誉館長さんによる、北海道文学館設立に関わるあれこれ、展示に関わる奔走など、文学館をもり立てようと地道に走り回った人々の静かな情熱がぐいぐいと迫ってくる臨場感ある筆で読み応えがあるのです。
今回は、文学館設立に関しての思い出。知事に陳情に行ったり、設立のための資金を出資してくれた企業などが紹介されています。
出資者にホシ伊藤三十万円の記載を見つけ、胸が熱くなる。ホシ伊藤さん、帯広にあった薬局ですが、ここの社長さんは文化に造詣の深い方で、福永武彦と高校時代の同級生という縁もあり、戦時中は福永の帯広滞在を支援したひとり。それも、当時では珍しいことではなかったのか、一部屋に二家族同居というような受け入れだったと記憶している。さすがにその家からは程なく転居、福永も帯広中学校に教師の職を得て、息子である池澤夏樹が帯広で誕生している。
別刷りの資料受贈報告、実に多くの方が貴重な資料を寄せていることがわかります。コレクションとして整理・管理・保存してくことは大変であると思いますが、学芸員さんの地道な努力によって研究機関として有効活用されることを期待しています。