top of page
検索
事務局

まほうのえんぴつ 第38号をいただきました。


児童文学研究会「まほうのえんぴつ」さんより、同人誌「まほうのえんぴつ」第38号をいただきました。詩、創作、エッセイ、本の紹介、体験レポートとバラエティ豊かな内容。

創作は、「次は、公園通り」小さなお話だったが、ディティールがしっかりしていて読みやすい作品。電車が効果的に描かれ、乗り降りの乗客とともに雰囲気が変化していく。札幌の電車の路線図がわかる人には楽しみも実感もともなって読めるだろう。家族の喪失感ややり場のない気持ちが伝わってきて切ない気持ちになる。

「テツ」こちらも環境の変化に適応すべく、外から見るとわからない行動をとってしまう子どもの心情が行動として出ていて読ませる作品。

今回はエッセイが良かった。素直に自分の心を吐き散らすだけでない、どこか上品でいやな気持ちにならない清々しいものだった。エッセイは客観的に文章を見る力がないとただの老害になってしまう向きがあるが、この会の書き手は、そういうところがない。なんだろな、ギリギリのバランスなんだろうか。読者がいるということをしっかり踏まえたいい文章だった。

おもしろかったのは、体験レポート。東京マラソンに出場した体験をイラストを交えて紹介している。臨場感があり、全体に楽しそうな雰囲気で読ませられた。イラストも見やすく、書き文字も読みやすくて、コミックエッセイも行けそう。なポテンシャルの高いもの。

「まほうのえんぴつ」は、同人誌のなかでもしっかり読ませてくれるものが多く、練り込まれている感がある。


閲覧数:31回0件のコメント

最新記事

すべて表示

児童文学創作教室 作品集をいただきました。

北海道文学館さんから、北海道文学館ウイークエンドカレッジで創作講座を受講した方の作品集をいただきました。 児童文学というには大人向けのものもあったが、最初から最後まで書くということを学んだことで「書く」行為に興味が持てたのではないでしょうか。書きたいテーマを見つけ、気持ちを...

まゆ 第133号をいただきました。

北海道の老舗同人誌「まゆ」の第133号をいただきました。 こちらもコロナ渦や同人のみなさんの事情で例年より発刊が遅れたとのことでした。 今回は全体的に重めの記事が多く、読み込むのに時間がかかってしまいました。 書くことで自分の心と対話していく様子、心情の変化などが読み取れ、...

ぷと 第18号をいただきました。

千歳のぷとさんより同人誌をいただきました。 コロナ渦の現状を生活する者の視点から描いたものに観察者としての目配りが光っていました。見えないウイルス、窮地にこそ見えた人間のふるまい、不安や先の見えないもやもやした気持ちを吐き出すように書かれた作品に共感を覚えました。...

bottom of page